WPPSI(ウィプシー)とは?障害児の発達検査でわかること【対象年齢・内容・費用まで解説】

「うちの子、言葉がゆっくりかも…ちょっと気になるな」
「保育園で『落ち着きがない』って言われて不安になってきた…」
「就学前に一度、発達の様子を確認しておいた方がいいのかな…?」

そんなモヤモヤを感じている保護者の方へ。
WPPSI(ウィプシー)という検査をご存知でしょうか?
これは、2歳半~7歳までの小さなお子さんを対象に、「どんなことが得意で、どこにサポートが必要か」をやさしく見つけていく発達検査のひとつです。

このブログでは、WPPSIって何?どこで受けられるの?どれくらい費用がかかるの?という素朴な疑問に寄り添いながらわかりやすくご紹介しています。

少し心配かも…」と思ったその気持ちを、安心につなげていくために。
まずはWPPSIについて、一緒に知るところから始めてみませんか?

このブログでわかること

・WPPSIの概要と正式名称
 (わかること)発達検査のひとつであるWPPSIとは何か
・対象年齢・所要時間
 (わかること)2歳6か月~7歳3か月、検査時間の目安
・検査の構成
 (わかること)言語理解、知覚推理、ワーキングメモリなど
・WPPSI-IIIと他検査との違い
 (わかること)WISCや田中ビネーとの違い
・検査結果の見方
 (わかること)IQスコアや下位検査の活用法
・検査を受けられる場所と流れ
 (わかること)実施機関・予約の方法
・費用目安【関東圏】
 (わかること)医療機関・公的機関の料金比較

このブログを読むメリット

  • 発達の専門家でなくても「WPPSIで何がわかるか」が理解できます
  • 他の発達検査との違いを踏まえて比較できます
  • 実際に検査を受けるまでの流れや費用感がつかめます

【結論】

WPPSIとは、2歳半〜7歳頃の子どもを対象に知能の発達状況を評価する検査です。特に言語や推理、記憶といった領域を細かく分析し、支援の方向性を判断するのに役立ちます。

目次

WPPSI(ウィプシー)とは?

WPPSIは「Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence」の略称で、ウェクスラー式幼児知能検査と訳されます。
主に以下の目的で使用されます。

  • 発達障害や知的障害の有無を探る
  • 発達の得意不得意を明確にする
  • 支援学級や療育方針を検討する際の参考資料

WPPSIは現在「WPPSI-III」や「WPPSI-IV」として使われており、日本語版は主にWPPSI-IIIが主流です。

そのため、本記事では「WPPSI-III(ウィプシー・スリー)」に焦点を当ててご説明いたします。

WPPSIの対象年齢と所要時間

項目内容
対象年齢2歳6ヶ月~7歳3ヶ月
所要時間約40~70分(子どもの状況により前後あり)
実施形態個別式(検査者と1対1)

WPPSIの検査内容

WPPSIでは以下のような知的能力を評価します。

  • 語彙総合力(言語理解):「これは何?」という質問に答える、絵を見て単語を答える
  • 知覚推理(パズルや図形):図形の構成や模様の一致など
  • ワーキングメモリ(短期記憶):数字の復唱や簡単な順番記憶
  • 処理速度:視覚的な課題を素早く解く能力(年齢により)

💡参考:WPPSI-IIIには「動物の家」など子どもが楽しめる課題も含まれています。

WPPSIと他の検査との違い(WISC・田中ビネー)

検査名対象年齢特徴
WPPSI-III2歳6か月〜7歳3か月就学前のIQ評価に特化。
年齢別に検査構成が異なり、幼児の認知発達を多面的に評価。
WISC-V5歳〜16歳11か月学童期以降に用いられる知能検査。
言語理解、知覚推理、ワーキングメモリ、処理速度の4指標から構成。
田中ビネー2歳〜成人発達年齢(DA)や発達指数(DQ)が算出可能。
適応行動も含まれ、幅広い年齢層に対応。

WPPSIの結果の見方

WPPSIにおけるIQスコアの評価基準

130以上:非常に優れている
 → ギフテッド教育の対象となる高度な知的能力を示す。

120〜129:優れている
 → 平均よりも高い認知能力を持ち、学業や問題解決で高い成果が期待できる。

110〜119:平均より上
 → 日常生活や学習においてスムーズに適応できる力がある。

90〜109:平均
 → 一般的な認知能力の範囲内で、特別な支援を必要としないことが多い。

80〜89:平均よりやや下
 → 一部の課題で苦手さが見られることもあるが、支援によって十分補える。

70〜79:境界域
 → 学習障害の可能性があり、より詳細な評価と支援が望ましい。

69以下:非常に低い
 → 知的障害の可能性があるため、専門機関による支援と介入が必要。いです。

下位検査のバランスの重要性

WPPSIの下位検査とは、IQの合計スコアだけでなく、「言語理解」「視覚空間」「記憶(作動記憶)」「処理速度」など、複数の検査項目を通じて子どもの認知機能を細かく評価するものです。
これらのスコアのバランスを見ることで、お子さんの発達の偏りや得意・不得意といった特性が明確になります。

たとえば、言語理解のスコアが高ければ言葉による説明が効果的である一方、処理速度が低ければゆっくりとしたペースで学習を進める配慮が必要です。こうした情報は、家庭や学校、療育の場での支援方針を考えるうえで大きなヒントになります。

つまり、WPPSIの下位検査バランスを正しく読み取ることは単なるIQの把握にとどまらず、子ども一人ひとりに合った最適な支援を行うための重要なステップです。お子さんの強みを活かし、困りごとに早く気づくためにも、WPPSIはとても有用な発達検査といえるでしょう。

WPPSIを受けられる場所(東京都など)

主な検査実施機関

  • 発達支援センター・児童相談所(公的機関)
  • 小児科・児童精神科(医療機関)
  • 臨床心理士がいる民間の心理相談室
  • 特別支援教育センター

WPPSIを受けるまでの流れ

これをステップのアプリ入れるのだ(今日はもう寝る)

  1. 保育園・幼稚園・かかりつけ医などで相談
  2. 専門機関に紹介状または自身で申し込んで予約
  3. 初回面談・問診
  4. 検査実施(約1時間)
  5. 後日、結果報告とフィードバック

WPPSIの検査費用と実施機関の比較【関東圏の実例を参考】

実施機関費用(目安)備考内容
公的機関無料〜3,000円程度住民登録がある地域住民を対象。
待機期間が長いこともあり。
※東京都・神奈川県など多くの自治体で無料実施例あり。
例:東京都多摩発達支援センター
医療機関
※保険診療
5,000〜10,000円前後紹介状が必要な場合が多い。初診料・診療料は別途発生。
保険適用となることもある。
例:東戸塚こども発達クリニック
民間カウンセリング15,000〜30,000円保険適用外。全額自費。
検査後に詳細なレポートや説明面談が含まれるケースが多い。
例:LITALICOジュニア


まとめ

WPPSIは、就学前のお子さんの発達の状態を多角的に捉えることができる、信頼性の高い知能検査です。
IQだけでなく、言語理解や推理力、記憶力といった認知機能のバランスを知ることで、お子さんの得意なことや、これからサポートが必要な部分を見つけやすくなります。
検査は2歳6か月から7歳3か月のお子さんが対象で、個別に丁寧に実施されるため、安心して受けることができます。

今後の支援の方向性や就学に向けた準備の判断材料として、WPPSIは非常に有用なツールです。

この記事がお子さんとご家族にとって一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。

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この記事を書いた人

5年間の保育士経験の中で発達障がいがある子どもと接したことで療育支援に携わることを決意する。
その後放課後等デイサービス、児童発達支援にて日々子ども達の療育支援に携わりながらブログ運営をしている。

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