「発達検査ってどんなことをするの?」
「うちの子にも必要?」
「新版K式発達検査って意味あるの?」
こうした疑問を持つ保護者の方は多いのではないでしょうか。
言葉の遅れや運動のぎこちなさ、集団での行動が気になるとき、発達検査を受けるべきか迷うのは自然なことです。
特に発達障害や知的障害の傾向があるお子さんの場合、得意・不得意を客観的に知ることは支援の第一歩になります。(本当にこれが大事です)
新版K式発達検査は0歳から成人までを対象に「姿勢・運動」「認知・適応」「言語・社会性」の3領域を評価し、発達年齢(DA)と発達指数(DQ)を数値化します。
この記事では検査の内容や対象年齢、DQの見方や結果の活用方法まで詳しく解説します。
お子さんに合った支援を見つけるヒントとして、ぜひ最後までご覧ください。
【結論】新版K式発達検査は発達段階を「見える化」する重要な評価法
新版K式発達検査の役立て方をまとめると下記の3つになります。
- 発達障害や知的障害の早期発見に役立つ
- 支援や療育の方針を考える材料になる
- 保護者や専門職が子どもの特性を理解する第一歩
新版K式発達検査とは?
新版K式発達検査は、
0歳〜成人までを対象とした発達段階の評価ツールです。
子どもの発達状況を以下の3領域に分けて詳しく観察・評価します。
評価領域 | 内容 |
---|---|
姿勢・運動 | 運動機能、バランス、指先の動きなどをみる。 |
認知・適応 | 問題解決能力、周囲への適応力などを見る。 |
言語・社会性 | 会話力、コミュニケーション、他者との関係性などを見る。 |
これらをもとに発達年齢(DA)と発達指数(DQ)が算出され、子どもの「今の発達段階」が数値で明らかになります。
検査の対象年齢と所要時間
年齢 | 所要時間 |
乳児(0~2歳) | 約20~30分 |
幼児(3~5歳) | 約30~40分 |
児童〜成人(6歳以上) | 約40~60分 |

年齢に応じて所要時間が違ってくるんだね。
年齢別・評価領域の具体的な例
姿勢・運動 | 認知・適応 | 言語・社会性 | |
乳児期 | ・首がすわっているか ・寝返りができるか ・ハイハイができるか | ・音に反応を示しているか ・ものを目で追うことができるか | ・喃語を発しているか ・笑うことができるか |
幼児期 | ・積み木ができるか ・ボールの操作ができるか | ・パズルを組み立てられるか ・指示の理解ができるのか | ・質問への返答ができるか |
児童期 | ・ハサミやスプーンが使えるか | ・模様のマッチングができるか ・覚えたことを思い出せるか | ・簡単な会話ができるか ・集団行動を理解できるか |
*左右にスクロールできます。

その発達段階に応じた検査内容になっているんだね。
発達年齢(DA)って何?
発達年齢(DA:Developmental Age)とは、
「実年齢ではなく“発達の進み具合”を年齢に置きかえたもの」です。
たとえば、お子さんの実年齢が3歳だとしても、
・話の理解や手先の発達
・周りの人との関わり方
などが4歳の子どもと同じくらいできていれば、DA=4歳と評価されます。
逆に、3歳でも発達の進み具合が2歳くらいであれば、DA=2歳とされます。
どんなふうに使うの?
この発達年齢は、
「今の子どもの発達が、年齢相応かどうか」を知るために使われます。
実年齢と発達年齢の差が大きい場合には、
・早めに支援を受けるべきか
・療育や通所サービスが必要か
などを判断する材料のひとつになります。
発達指数(DQ)とは
発達指数(DQ)は、子どもの発達の進み具合を数字で表したものです。
実際の年齢に対して、どれくらい発達が進んでいるかをわかりやすく100を基準にして計算します。
たとえば、2歳(24ヶ月)の子どもが、1歳半(18ヶ月)くらいの力があるとわかった場合、DQは「75」という数字になります。
DQが100なら年齢相応。
それより低いと少しゆっくりめ。
高いと発達が早い、という目安になります。
新版K式発達検査を受けられる場所
新版K式発達検査は、お子さんの発達状況を多角的に評価するための検査で、以下のような施設で受けることができます。
児童相談所・発達支援センター
各自治体が運営する公的機関で、発達に関する相談や検査を行っています。
特徴:費用が抑えられ、保護者と子どもが一緒に活動するプログラムもあります。
参考:さいたま市 総合療育センター事業概要
医療機関(小児科・心療内科など)
医師の診断と連携して、心理検査を実施する医療機関があります。
特徴:医師の診察と併せて検査を受けられ、保険適用となる場合もあります。
参考:河北総合病院 小児科発達診療
大学附属の研究機関
専門的な知識と最新の研究に基づいた評価が期待できる施設です。
特徴:高度な専門性を持つスタッフによる詳細な評価が受けられます。
参考:国立成育医療研究センター 発達評価支援室
作業療法士や心理士の事務所
個別対応で柔軟な支援が受けられる民間の専門機関です。
特徴:個々のニーズに合わせた対応が可能で、相談がしやすい環境が整っています。
参考:厚生労働省 児童発達支援における支援体制の資料

検査の実施状況や費用予約方法は施設によって異なります。必ず事前にお問い合わせてね。
新版K式発達検査を受けるまでの流れ
相談・予約
お住まいの地域にある児童相談所、発達支援センター、または医療機関に連絡し、相談や検査の予約を行います。
例:さいたま市「総合療育センターひまわり学園」では、発達に関する相談窓口が設けられています。
初回面談・問診
保護者からの聞き取りを通じて、お子さんの発達の様子や心配な点について詳しくヒアリングが行われます。
この段階で、検査の必要性や実施内容の説明も受けることが一般的です。
検査の実施
新版K式発達検査を実施し、「姿勢・運動」「認知・適応」「言語・社会性」の各領域について評価が行われます。
年齢に応じた課題に取り組むことで、お子さんの発達段階を多角的に把握します。
結果の説明と支援計画の提案
検査結果をもとに発達年齢(DA)や発達指数(DQ)が算出され、結果の詳しい説明を受けます。
あわせて、今後の療育や支援の方針について提案が行われます。
新版K式発達検査の費用目安【関東圏】
実施機関 | 費用目安 | 備考 |
児童相談所・発達支援センター | 無料〜数千円程度 | 公的機関のため、費用が抑えられる場合が多い |
医療機関 *小児科・心療内科など | 約5000円〜10000円 | 保険適用外になる場合があるため、事前確認が必要 |
大学附属の研究機関 | 約10000円〜15000円 | 細かな評価が可能だが、その分費用が高くなる傾向にある |
民間の心理士事務所など | 約8000円〜12000円 | 個別対応のため、柔軟に対応をしてくれるものの、その分費用が発生する |

費用は施設や地域によって異なるから必ず事前に問い合わせよう。
費用目安の参考情報
- さいたま市 総合療育センター事業概要
https://www.city.saitama.lg.jp/002/003/004/003/005/p005524_d/fil/sougouryoikucenterzigyoug.pdf - 河北総合病院 小児科発達診療
https://kawakita.or.jp/suginami-area/kgh/shinryou/content_syouni/dd/ - 国立成育医療研究センター 発達評価支援室
https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/geka/hattatsu-hyoka.html
まとめ
新版K式発達検査はお子さんの今の発達の様子を数値で知ることができ、支援の方向性を考える上でとても役立つ検査です。
不安なままにせず、まずは専門機関に相談してみることをおすすめします。
検査予約をするなら早めの行動が大切です。
この記事がお子さんとご家族にとって一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。
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